笑いを愛す


小さい頃から”お笑い”は好きです。たぶんドリフ好きだった親の影響ですが、小学生から「ごっつええ感じ」「タモリのSuperボキャブラ天国」 で育ちました。その影響は今も色濃く残ってお
り、近年のお笑いブーム(2007年春現在は少し落ち着いた模様)に思いっきり揺さぶられたのも事実です。

中学生の頃はボキャブラも終わり、バラエティとしては小学生当時大人気だった「伊藤家の食卓」「学校へいこう!」などにも飽き始め、まぁ、「力の限りゴーゴゴー」を時々見るのが 楽しみか
なぁという程度で(目的はアカペラの大会)特に好きな芸人さんもいず、お笑いとはほぼ無縁の生活をしていました。
そんな折、ひょんなことからNHKの「爆笑オンエアバトル」の夏休み スペシャルを見ました。あたしが見たのは普通のネタ見せと数組の芸人さんがコンビ、グループの枠を取っ払って合同コントをする、というものでした。(この企画は夏・冬スペシャルの恒例で今も続いている) 軽い衝撃を覚えました。単におもしろいっていうのもありましたが、こんなに若手芸人がいるのかと、NHKでこんなんやってたのかと驚きました。ついでに、登場のBGMにセピアの「前略、道の上より」を 流しながら半裸のアブナそうな野郎が出てきたのでちょっとした怒りも感じました。セピア
をこんな所でお前が使うなァ!!ってね。その野郎が後にペナルティの脇田さんであったことを知った時の衝撃は忘れられません。


その後、ほぼ毎週オンバトを見ていました。深夜なのでビデオも活用しつつの視聴でした。オンバトからあたしの芸人さんに対する知識が深まっていったと言っても過言ではないでしょう。 またオンバトは今ではすっかり有名なアンジャッシュ、ますだおかだ、アンタッチャブル、ドランクドラゴンを始めとする若手を多数ブレイクさせた番組であり、明石家さんま、立川談志などの大御所もオンバトを 高く評価しているとのこと。出演する芸人さんにも、スタッフの扱いが丁寧、自分達を全国区に広めるチャンスといった理由で人気です。視聴者にとっても関東、関西の枠を超え様々な芸人さんを知れるので根強いファンも多いですね。 加えて、現存するネタ見せ番組で一番まともだと思っています。まぁ、ネタ見せ番組も減りましたがね。
各年に行われるチャンピオン大会も見ごたえ十分。特にも2004年3月の第6回は今をときめく豪華若手メンバーが揃い踏みした年でした。(あくまで自論)それも真剣ネタで勝負でしたので同じメンバーでも 今のバラエティなんかよりずーっとおもしろかったんです。
そんな彼等もほぼ全員オンバトを卒業。今ではいわば若手の若手さん達ががんばってます。お笑い界の一歩先をリードしたい方は必見!?


さて、数ヵ月後「エンタの神様」がスタート。この頃から一気にお笑いブームに火がつきました。あたしもすっかりのめり込み、番組はかかさずチェック、気になった芸人さんが 載っているお笑い系雑誌を購入と、もうマニアックな勢いも見せていました。また、友達に教えてもらいスピードワゴンのラジオもよく聴きました。「はねるのトびら」が一番おもしろかった時でもありましたね。 深夜時代はコント中心でした。本当にハマってしまい、グッズも買ってしまいました。
この時のお気に入りは長井秀和、いつもここから、友近、アンジャッシュ、ホーム・チーム、江戸むらさき、ビッキーズなどでした。いずれもエンタ、オンバトでネタを見て好きになりました。


ただ、エンタに関して言えば、あたしは良い印象を持っていません。最初はもう楽しみに見ていたんですよ。エンタの特徴として、あまり知られていない人を出す、ピン芸人が多い、漫才よりコント寄り、が挙げられますが、 そのどれもが当初は新鮮でしたし、芸人さんもエンタに出たい!と強く思っていたようですしね。実際青木さやか、だいたひかる、インパルス、最近では桜塚やっくんなどエンタをきっかけにブレイクした人もたくさんいます。 しかし、裏事情を知ってしまったあたし。先に書いたラジオでの小沢さんの発言「エンタは芸人潰し」から知ったんです。どういうことかと言いますと、ネタが思い切りできないことなんです。テレビ側としては視聴率を気にします から、より人気の高いネタをやってほしいわけです。だから芸人さんに偏ったネタばかりさせているんです。例えば、スピードワゴンでいえば漫才中の「甘い言葉」がひとつの売りですけれど、他にも漫才のネタはありますし、 「甘い言葉」=スピードワゴンではないのです。ところが、エンタでは「甘い言葉」のネタばかりやらされたため本人達もうんざり。(このネタはもはや漫才でもなかった)結果、知名度は上がったがどこに行っても「あま〜い!」のみである。 また、リスナーからライブでやってほしいネタを募った際も「エンタのやつは絶対にやめてほしい。リクエストがあってもやらない」と言っていた。このような現象は他の人にも当てはまるが、中には上手くすり抜けた人もいる。アンガールズは 一時期どこでも♪ジャンガジャンガ〜しかできなかった(やらなかった?)がエンタとオンバトではいつも初心のコントをやっていた。ちなみに、エンタはトークとネタの一部(人によって違う)をカットして放送している。これはいかがなものか。


段々と特番でネタ見せ番組が増え、若手芸人さんもすっかりお茶の間に浸透してきた頃、「笑いの金メダル」がスタート。今とは全く違うトーナメント形式でネタをやり、見事3回金メダルを取れば300万円というものでした。 普通のネタ見せと違い、誰が取るのか、どんなネタで勝負するのかという駆け引きもあり好評。また、オンバト以来全国ネットでテレビ出演の少なかった江戸むらさき、三拍子なども活躍。更にさくらんぼブービーなど、ダークホース的存在 の誕生もあった。ちなみに300万円を取ったのはペナルティ1組。江戸むらさき、スピードワゴンがあと一歩というところで番組内容が変更。実に残念です。それ以降はロケやスタジオトークといった企画中心なのはご存知でしょう。 芸人さんをシャッフルして新たなコンビでネタを作るコーナーやフィーリングカップルなど、おもしろい企画もありましたがやはり、初期の勢いには敵わず視聴率低迷に悩まされているようです。最近では「ボケモン」でネタ見せを復活 させたかに見えますが、制限時間や選ばれた人しかできないことなど、まだまだおもいきりできないのが現状でしょうね。


2001年に始まった「M−1グランプリ」では上記2つの番組より先にスタートしていますから、当初知らない芸人さんが多く出ていたのであたしはこれで覚えた人も多々います。第1回目で優勝した中川家もそれまで知りませんでした。 おなじみ、麒麟、笑い飯など多数の大阪勢が全国区に広まったきっかけにもなりました。実力勝負(当たり前か)ですから歴代の優勝者がその後売れ出すのもうなずけます。(単に話題作りで出る場合もあるが)また、当時ほぼ無名の組が決勝進出するという 「麒麟枠」なる言葉も生まれました。まぁ、大阪勢の方が若干有利(現在では改善された)だったり、吉本勢が圧倒的に強いことから多少の問題も見られるがこれからも要注意の大会であろう。
同じくピン芸人版のM−1、「R−1ぐらんぷり」もここ数回でグッと身近になりましたね。M−1とはちょっと違ったスタイルで、しかもゴールデンでは決勝を放送しないのでなかなか浸透しなかったものの、歴代の優勝者の活躍と大会そのもののレベルが 上がったことで知られ、毎年の参加者数も右肩上がりだそう。知らなかったという人はこちらも要チェック。


現在ではあらゆるバラエティ、あるいは教養番組にも多くの若手芸人さんが出ています。誰も見ない日はないくらいです。しかし、純粋なネタ見せも減り、多くの芸人さんがいわゆる雛壇芸人としてトークなどをこなしている姿 は普通のタレントさんと何ら変わらないようにあたしには見えます。売れない頃は多少のヨゴレ役も引き受けて、ライブでも一生懸命ネタをやっていた。ウケようとする気持ちは変わらないかもしれないけれど、今じゃアイドルだって俳優 だってトークやリアクションで笑いが取れる時代なんです。同じことばかりしてどうする!?こんなに多くのライバル(仲間)がいるから上に上がれるのは一握り。初心に帰って欲しい芸人さんがたくさんいます。あたしは いつまでもネタをやってくれる人、バラエティでも芸人さんにしかできないことを進んで?やってくれる人、劇場でのライブやイベントを重視する人が「芸人」と呼べる人達かなと思っています。いくら看板番組を持っていて人気があっても 司会だけじゃね、それはタレントであり、芸人ではないんです。いつまでもバカなことをやっていてほしいです。もちろんずっとバカをやった後に島田新助や明石家さんまのようなポジションに移行して若手さんに活躍させる手助けをすることも 大事です。ただ、今若手と呼ばれている人の誰がそこに行き着くのか全く予想できません。今後次第ですね。

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